【実例紹介】国家公務員一般職(技術系)の年収実例と基礎知識

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よしと

こんな疑問を解決します!
入所してから人事評価で「優秀」を取り続けている技術系国家公務員一般職9年目のよしとが、公務員の給料について解説します!

結論、公務員の給料は決して高くはなく競合と比較すると低いです!

民間企業と比較すると高い水準にあると言われていますが、国家公務員の給料は従業員50人以上の民間企業の給与調査を行い給与表が決まっています。そのため、零細企業も含まれる調査になっているため、満足のできる給与とはなっておらず、若手職員を中心に転職や離職している実態です。

この記事では公務員の給料の基礎知識から、よしとの実例を交えて技術系国家公務員一般職の給料をご紹介し、国家公務員の将来について考えます。

目次

国家公務員の年収とは?

国家公務員の年収の基礎知識

公務員の年収は、民間企業とは異なる給与体系を持っています。

一般的に、国家公務員の給与は「給与表」に基づいて決定されます。この給与表は、職務の種類や職位、勤務年数などに応じて細かく設定されています。人事院が民間企業(従業員数50人以上)の給与を調査し、国家公務員の給与表を毎年決定しています。

従業員数50人以上なので、零細企業も入っています。このような企業と比較して給料が決まることから、公務員の給料は安いと言われることも多く、優秀な人が官僚にならずに民間企業や海外で働く一因となっています。

※出典:令和5年度人事院勧告 国家公務員の給与制度 俸給表

また、基本給に加えて各種手当が支給される形が一般的です。例えば、地域手当や住宅手当、扶養手当、超過勤務手当などがあります。これらの手当は、勤務する地域や家族構成、勤務時間により異なる金額が支給されます。

国家公務員の主な手当・金額は以下のようになっています。

各種手当・金額

扶養手当:配偶者6500円、子1万円

住居手当:最高2万8千円

通勤手当:片道2km以上、最高5万5千円

単身赴任手当:3万〜10万

地域手当:(例)東京都特別区 20%

※出典:令和5年度人事院勧告 国家公務員の諸手当の概要

公務員の昇給は、毎年人事評価により、昇給幅や昇格するか否かが決定されます。実態としては、評価が良くても少し他の人より給料の上がるスピードが上がるぐらいで、大きくは変わりません。あまり仕事ができない人でも年次と共に昇給し、あまり仕事ができない50代でも800万の年収を獲得しています。

ボーナスは人事評価の成績に応じて決まるようになっています。令和6年度から特に優秀な人は引き上げ上限が上がり、最高で約2倍の勤勉手当が支給されることになりました。

各種手当・金額

特に優秀  : 121.5/100以上 205/100以下

優 秀   : 110/100以上 121.5/100以下

良 好   : 98.5/100

良好でない : 90/100以下

※出典:令和5年度人事院勧告 国家公務員の諸手当の概要

※出典:就活中の皆さまへ

自分が新採のときは人事評価で理不尽な事案がありました。

課長からは「業績は優秀だが、1年目は優秀があげられない。今回の評価は「B」です」と伝えられました。これを聞いて、頭の中は「???」となったのを覚えています。こんな理不尽な評価があるんだと思いましたが、今は少しずつ変わっているようです。しかしながら、我が職場では係員で最優秀を取得する人は聞いたことがないので、年功序列的な昇給は変わっていないと言えます。

このように、人事評価により多少は変わりますが、一定の基準で毎年少しずつ上がるのが特徴です。昇給の具体的なタイミングや金額は、職種や勤務先によって異なりますが、基本的には安定した昇給が期待できます。

以上より、人事院が公表している情報で公務員の年収はざっくりと把握することができます。

給与実態 平均年収【令和5年データ】

令和5️年に公表されている国家公務員の年収は、約666万円です。平均年齢は42.4歳、平均給与は404,015円となっています。

これは国家公務員の総合職と一般職が平均されているため、総合職であればもっと平均年収は高くなりますし、一般職は少なくなります。

※年収算出方法「平均給与月額×12ヶ月+平均給与月額×ボーナス(4.5ヶ月)」で算出

※出典:令和5年国家公務員給与等実態調査

この給与には超過勤務手当も加味されています。ここで平均残業時間を見てみましょう。本府省と本府省以外の平均の残業時間です。

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調査年
(時間)
本 府 省
(時間)
本府省以外
(時間)
令和5年220397179
令和4年217383179
令和3年213358181
令和2年219348190
平成31年226356198

※出典:令和5年国家公務員給与等実態調査

ここ5年で大きな変化はなく、本府省で400時間程度、本府省以外で180時間と倍以上の残業時間の差があることがわかります。

ただし、本府省でも定時に帰る人もいますし、事務所でも残業500時間の人もいますので、この表は参考までにしてください。

公務員の残業時間は、多くは上司によって左右されます。部署としても忙しいところはありますが、どれだけ上司が作業分担でき、スケジューリングができるかだと思います。残業が当たり前で効率良く仕事をする概念がない人の元だと、残業時間が多くなってしまいます。

一般職のモデル給与例

また、人事院が公表する国家公務員 一般職のモデル給与例は以下のとおりです。20代、30代は年収が少なく、40代以降から給料の伸びも大きくなり、少しゆとりのある生活ができるかなと思える給料水準になってきます。

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役職年齢月額(円)年間給与(円)
係員22歳196,2003,222,000
30歳236,9003,890,000
係長35歳278,7004,638,000
40歳302,8005,039,000
課長50歳414,3006,761,000

※出典:本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み

ただし、これは超過勤務手当が入っていない給料表となっています。例えば、係員22歳が月残業30時間したとしたら、1時間当たり1500円程度の時給になります。

1,500円 × 30時間 = 45,000円

45,000円 × 12か月 = 540,000円

よって、年収は380万程度になります。

現実的にうちの職場では、新採が月30時間の超過勤務はあまりないかもしれません。ですが、忙しい部署ならあり得る残業時間だと思います。自分も新採時の最初の3ヶ月は月10時間以内の残業でしたが、4ヶ月目からは月40時間程度が普通になってしまいました。

また、国家公務員のうち、中央省庁勤務は高い年収を得る傾向にあります。これは本府省業務調整手当や地域手当で毎月の基本給から手当が多いためです。本府省業務調整手当は、本府省の業務である国会対応等の業務の特殊性・困難性を踏まえ、係員から課長補佐に大して支給されます。

本府省業務調整手当:一例

係員(2級)    : 8,800

係員(4級)   : 22,100

課長補佐(6級) : 39,200

※出典:令和5年度人事院勧告 国家公務員の諸手当の概要

また、地域手当で東京特別区に勤務している場合は、俸給の20%が加算されます。これだけ手当が出るのは、東京では民間企業の賃金が高いことを考慮して手当として支給されます。地方部では、ほぼ地域手当がなかったり、あっても3%程度と少ないことが多いです。このように国家公務員でも都市部と地方部で収入差が生じています。

次は、地方勤務の国家公務員一般職よしとの年収推移も踏まえて、ご紹介していきます。

国家一般技術職よしとの年収推移

私の年収と人事院が公表している年齢別平均俸給より推移を表でまとめました。

よしとの基本情報

採用区分   : 国家一般職 大卒技術

残業時間  : 30時間/月

勤務地   : 地方部

※出典:令和5年国家公務員給与等実態調査

平均俸給は平均給料とは異なり、諸手当を除いた基本給与を指しています。そのため、私の給料は超過勤務手当等が加わり平均俸給よりも数十万高くなっています。

ちなみに昨年(8年目)は、平均残業時間は約30時間/月の超過勤務手当が加算されています。また、扶養手当は1万/月、地域手当と通勤手当の計1万/月が加算されています。今年31歳になってやっと500万を超えられそうです。

以上より、最初の1年目は残業しても手取り18万/月程度なので、貯金も満足にできないと思います。また、残業をしないと生活がカツカツになる現状なので、あえて残業している人も同期にはいるぐらいでした。部下も特に急ぎの案件はないですが、余裕を持ち資料の作成を行い、残業代を稼いでいますが、誰もなにも言いません。

このように超過勤務手当をあてにしながらでないと、生活が厳しいので残業を自分のペースでしている人が多いという現状です。

仕事を定時に終わらせて帰る人より、だらだら非効率な業務をしている人の方が評価も上がることがありますし、残業代を稼げるのが実態です。

以上の現状から、若手公務員の中には副業や転職を検討する人も多いです。

公務員と民間企業の年収比較

民間企業の平均よりも高いが、競合よりは低い

国税庁が公表している令和4年度の民間給与実態統計調査の平均年収は、458万円でした。これと比較すると公務員の平均年収の方が200万程度高いことになります。

しかしながら、自分の大学時代の友人と比較すると明らかに給料が少ないことがわかります。私の友人はスーパーゼネコンに入社する人が多かったです。

スーパーゼネコンの平均年収を調べてみました。

スーパーゼネコンの平均年収
  • 鹿島建設 1163.5万円
  • 大林組 1031.6万円
  • 竹中工務店 1009.6万円
  • 大成建設 992.9万円
  • 清水建設 971.6万円

※出典:ゼネコンの平均年収ランキング|ゼネコンランキング【2023年版】|アーキブック (archi-book.com)

スーパーゼネコン勤務の30歳の友人は、残業代を満額もらえるため年収800万とのことでした。

うらやましいですね。。。

仕事で難しい点は、若い現場監督になるので、年上の職人さんとうまくコミュニケーションをとりながら施工を進めることや、発注者側からの無理難題を押しつけられるとのことでした。それだけ大変な仕事なので、年収が1.5倍程度変わってくるのは理解できますね。自分はほぼデスクワークで、そこまでの困難な仕事はしていないように感じます。

ただ、このような進路も自分の選択肢にあったので、隣の芝は青く見えます。競合とはこのような差が生まれるので、もう少し給料面を考えて進路選択をすれば良かったと後悔しています。

以上から、民間企業と比較すると給料は高く思えますが、周りの友人の話を聞くと自分の給料が一番低いこともしばしばあります。

収入面から近年公務員の転職が多い

人事院が公表している国土交通省の資料では、若年層の離職が右肩上がりで増加しています。

※出典:人事行政諮問会議 国土交通省説明資料

この離職理由は様々ですが、主な理由は下記のとおりです。

  • 民間企業等への転職
  • 地元に戻りたい
  • 仕事内容のミスマッチ
  • 収入面
  • 家庭の事情 (結婚、育児、介護・看護等)

この中で収入面が理由となる転職・離職も多いと考えられます。自分の同僚も収入面を理由に民間企業に転職しました。若いうちは周りよりも収入が少ないため、嫌気が差し転職に踏み切ったとのことでした。

述べてきたとおり、20代の給料は競合と比較すると低い傾向があるので、民間企業で勤めている友人との会話で転職を考えることが多いです。

そのため、人事院では即戦力となる経験者採用の枠を増やして人員不足を解消しようとしています。

まとめ:公務員から転職できる選択肢を持とう!

公務員の給料は民間企業と異なる給与体系であり、基本的には年功序列の体制になっています。

令和5年の国家公務員の平均年収は以下のとおりです。

国家公務員の平均年収

年収:666万円

平均年齢:42.4歳

平均給与:40.4万円

平均残業時間:18時間

国家公務員技術系一般職の年収推移は以下のとおりです。

よしとの年収推移

係長22歳:365万円

係員25歳:400万円

係長28歳:443万円

係長30歳:494万円

また、競合と比較すると給料水準は低く、近年若手職員を中心に転職に伴う離職が増加しています。

以上のことから、自分の昇給ペースを把握したうえで転職するか、副業にチャレンジするかを検討した方が良いと思います。検討したうえで、公務員として全うしたいと思う人は頑張っていただければ良いと思います。

少しでも迷っている方は転職活動を進めつつ、自分のスキルを磨き副業にチャレンジすることを応援します。

自分と同じ境遇ですので、ともに自由を目指して精進していきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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