こんな疑問を解決します!
入所してから人事評価で「優秀」を取り続けている技術系国家公務員一般職9年目のよしとが、公務員の転職について解説します!
実績は以下のとおりです。
・リクルートエージェントで内定2社(計8社応募)
・リクナビNEXTで内定2社(計3社応募)
結論、公務員も在職中に転職活動はでき、市場価値も低くないです!
公務員は規制が厳しいイメージがあると思いますが、私も規制内容を把握したうえで転職活動をしました。
実際に体験した転職活動の進め方や転職活動をしてみて感じたこと等をご紹介していきます。
ちなみに現在は家庭の事情もあり、内定を全て辞退しています。
この記事では、在職中の転職活動する際の基本的な留意点と転職活動の進め方、資格もない国家公務員の市場価値がわかったので、ご紹介していきます。
公務員の在職中の転職活動
国家公務員の転職に関する規制内容
国家公務員は転職活動はできないイメージを持っている人もいると思いますが、規制がありますが転職はできます。
以下の再就職に関する規制があるので注意が必要です。
あっせん規制【他の職員・職員OBの情報提供や再就職依頼の規制】
求職活動規制【在職中の利害関係企業等への求職活動の規制】
働きかけ規制【職員OBによる口利きの規制】
主に退職後の天下りに関する規制内容ですが、転職も該当する規制があるので注意が必要です。
転職活動で注意が必要な項目は「求職活動規制」です。
これは、本省課長補佐級以上に相当する現職の職員が利害関係企業等に対して、
- 自己に関する情報を提供すること
- 再就職することの要求や約束
- ポストに関する情報提供依頼
が禁止されています。
本省課長補佐級以上とは、いずれかに該当する職員です
- 行政職俸給表(一)の職務の級が5級以上の職員及び他の俸給表でこれに相当する職員
- 任期付職員法第7条第1項に規定する俸給表の適用職員(特定任期付職員)
- 任期付研究員法第6条第1項に規定する俸給表の適用職員(招へい型任期付研究員)
このため、国家公務員の若手職員であれば、本省課長補佐級以上に対象とならないので、特に利害関係者を気にすることなく、転職活動を進められます。
当所のある若手職員は、発注者側から受注者側に転職する人もいました。逆に受注者側から国家公務員に転職してきた人もいました。
本省課長補佐級であれば、総合職で30代、一般職で50代ぐらいのイメージです。国家一般職で50代まで働いていれば転職することは少ないかもしれません。
総合職つまりキャリア採用の方は、30代で転職を考える人もいると思いますので、転職活動には注意が必要です。
特に転職エージェント等を利用する際は、自分の情報を登録することで企業側からスカウトが来ることもあります。ここで利害関係者に自分の情報を開示することになり、「自己に関する情報提供」に該当し、懲戒処分の対象になります。
そのため、利害関係者への情報提供をしないように転職エージェントに事前に伝えるか、エージェントサイトで設定ができるのであれば、事前に登録しておくといいです。
転職活動の基本
転職活動の基本公務員の転職活動の基本事項について、説明します。現在の職場で不満があり、転職活動に興味がある人は、以下3つを抑えておくことが重要です。
周囲の人に話さない
とりあえず転職活動をしてみる
事前に職場の手続きを把握する
「周囲に話さない」は鉄則です。
仮に職場の人に話してしまい、噂が広まってしまった場合、課長等から呼び出され、事情等詳しく聞かれることになります。現在は、ただでさえ若手公務員の離職が増え、人材不足が生じている中で、転職されるのは組織としても大きな損失になります。そのため、事前に噂が広がり人事担当者の耳にも情報が入れば、必死に転職をとめてくるのは容易に考えられます。
このように余計な労力や説明時間を費やすことになりますので、気が知れている同僚にも転職が決まるまでは話さない方が無難です。
また、とりあえず転職活動をしてみるというのも重要です。転職活動はノーリスクです。
仮に条件が合わなかったら転職しなきゃいいだけですし、良い条件の職場があれば応募してみることができます。自分の市場価値は、転職活動をしなければわかりません。
思ったより良い給料水準の会社を紹介されることもあるので、今の仕事に少しでも不満があれば、とりあえず転職活動をしてみるのもオススメです。
さらに、転職で職場の手続きや規制を理解しておくことも重要です。
国家公務員の規制を前に説明しましたが、地方公務員では自治体毎にルールがあるので確認したうえで、転職活動をしましょう。
特に利害関係者となる会社に転職活動した場合、懲戒処分の対象となる可能性があるので注意が必要です。
以上の項目をおさえて、転職活動を進めていきましょう!
転職活動での休暇
転職活動をする際には、平日のみしか面接の対応を受け付けていない企業もあります。その際は、有給休暇を使い面接に行く必要があります。
複数社同時に選考を進めていて、現職で休みが取得しにくい場合は、なるべく同じ日に面接をセットにすることもおすすめです。
ただし、3社以上は大変ですので、ゆとりを持ったスケジュール管理をしましょう。自分は1日で2社が限界でした…
私の場合は、比較的自由に休みを取得でき、上司にあまり干渉されることはありません。そのため、「明日お休みもらいます。」「◯日午後お休みもらいます。」と言えば、承認をもらえました。
自分の子どもが小さいので、同僚は「きっと子どものことで休んでいるんだろうな」と思っていると想像しています。
有給休暇の理由は「私用」で構いません。上司に具体的に理由を言わないといけないと思われるかもしれませんが、法律上労働者が有給休暇の申請理由を伝える必要はありません。
上司が理由を聞いてきて、どうしても理由を話さないといけない場合は、以下の理由がおすすめです。
- 家庭の事情でお休みもらいます。
- 体調が少し悪く病院に行くのでお休みもらいます。
- 家族が具合悪いのでお休みもらいます。
上記理由だとあまり深く聞いてくることはないと思います。
転職活動には有給の取得が必ず必要になりますので、周囲に迷惑をかけすぎないように業務のスケジュール管理をして上司に承認をもらいましょう。
30代技術系国家公務員の転職活動の主なステップ
今回は私が使ったリクルートエージェントとリクナビNEXTを使った転職を説明します。まずはこの2つでしてみて、担当者が合わなかったりした場合は他のエージェントや転職サイトを使う流れで良いと思います。
理由はリクルートの求人数が他社より圧倒的に多いため、自分に合う企業を探しやすいことがメリットです。
ここからは具体的なリクルートエージェントを活用した登録手順などを説明していきます。
転職サイトに登録
まずは転職サイトに登録してみましょう!
リクルートエージェントなら、転職実績がNo.1のため安心して転職活動を進められます。簡単な情報を入力していくだけなので、5分もあれば登録完了できます。
リクルートエージェントでは、申し込みの最後に「リクナビNEXT」が提供しているスカウトサービスへの同時登録ができます。スカウトサービスを登録しておくと企業や転職エージェントからオファーが来るので、おすすめのサービスです。
また、リクナビNEXTはリクルートエージェントとは異なり、掲載企業なども多少違いがあります。
転職サイトと転職エージェントの主な違いは以下のとおりです。
項目 | リクルートエージェント | リクナビNEXT |
---|---|---|
応募書類・面接準備 | キャリアアドバイザーと面談し、書類添削・面接練習が可能 | 基本的には自分で準備し応募する |
求人の探し方 | 自分で探したり、紹介を受ける | 基本的には自分で探し、企業からオファーを受けることもある |
求人内容 | 厳選された企業が多い | 幅広い企業の求人が掲載されている |
こんな人におすすめ | ・転職初心者 ・転職活動に不安がある人 ・アドバイザーに伴奏して欲しい人 | ・ある程度転職経験がある人 ・幅広い求人から選びたい人 ・求人の取捨選択がすぐにできる人 |
無料ではじめる | 無料ではじめる |
転職実績がNo.1のため安心して転職活動を進められます。
簡単な情報を入力していくだけなので、5分もあれば登録完了できます。
転職エージェントと面談
登録した後はプロフィールや職務経歴書を入力し、キャリアアドバイザーとの面談をします。面談方法は電話orオンライン形式を選べます。
面と向かって話した方が今後の話しやすさや信頼関係に繋がってくると思いますので、1回はオンライン形式での面談をおすすめします。
面談では主に以下のような質問がされますので、事前にある程度考えておくと良いでしょう。
- 転職の動機
- 希望条件(勤務地、年収、職場の雰囲気等)
- 転職のスケジュール
特に考えていなくてもエージェントと話す中で明確になっていく部分もあるので、あまり気を張り過ぎず望みましょう。
また、家族がいる場合は家族とも相談したうえで、希望条件を考えておく方が無難です。特に自分は子どもがまだ小さいので、リスクがあまり取れない状態です。そのことを理解しつつ、妻と相談して条件等を決めている現状です。
他に以下のようなことをエージェントから説明いただきます。
- 求人情報の見方
- 履歴書や自己アピールの改善点
- 応募後の流れ
以上の面談で約1時間程度でした。
気になった企業に応募
いよいよ企業に応募することになります!
企業の探し方は自分で気になる企業を検索してもいいですし、リクルートエージェントの担当者が面談で聞いた条件を基におすすめ求人も紹介してくれます。
求人情報を確認し、応募ボタンを押すだけで、履歴書や自己アピールを記載した書類が自動的に企業に送付されます。
そこで企業からの書類審査が始まります。
書類審査は企業がこちらの情報を確認するので、時間が1ヶ月程度かかることもあれば、1週間程度で返事が来ることがあります。「選考終了」のお知らせが届けば、書類審査で不合格となります。
今のところ私は全8社に応募し、2社内定辞退、6社書類選考で全て「選考終了」になっています。
リクルートエージェントの担当者によると、書類選考の通過率は10% 程度とのことです。私は同じ業種も含めて通過率は25%なので、応募書類の作り方が少し良かったのかもしれません。この作り方は今後機会があればご紹介します。
リクルートエージェントのいい点として、アプリは優れたUIデザインであり、下図のように視覚的に現在の選考状況を把握できます。選考中は時期が重なることもあり、頭の中でごちゃごちゃすることがありましたが、アプリを開けば状況が一目でわかるため便利でした。
転職活動では、複数社同時に書類選考することが一般的なので、一目で状況を把握できることはメリットとして感じました。
後悔しない公務員の転職
転職活動で主に気になるところは公務員としての市場価値だと思いますので、公務員が転職活動をしてみて、感じたことを記録します。
活かせるスキルを認識
公務員として活かせるスキル
公務員生活をしていて、自分は特にスキルもないし保有資格も運転免許ぐらいしかないため、市場価値は低いのかなと思っていました。
しかし、現実は違いました。
自分でスキルと認識していなかっただけで、面接をする中で土木系公務員としての強みが浮かび上がってきました。
- 公益性、公平性
- 発注資料作成の経験
- 技術者倫理観
公益性と公平性については、公務員として長年勤めていれば自然に身に付いていくスキルの一つだと思います。特に国民の税金を使い公共事業に予算を使っていくことから、対外的に説明ができる事業実施をし、予算説明や工事発注をしていく必要があります。常に対外説明ができる資料作成をするのが、公務員として当たり前の姿であり、説明責任を果たす義務があります。
その中で現職の公務員が常に頭を悩ませるのが、「説明できるが不合理なこと」、「条件がルールに沿わない」等だと思います。
このようなイレギュラーな事案にも柔軟に対応できた事例があれば、「公務員としての公益性・公平性を活かし、●●が困難だったが、●●を達成できた。」と自信を持ってアピールしましょう。
発注資料作成では、発注者側の視点も持ったスキルが身につきます。発注者として設計図書の作成や、工事請負積算の経験等、民間企業からの視点では、貴重な経験となります。工事の案件が多いときのスケジュール管理方法について、工夫をしたことをまとめ、課題解決能力をアピールしましょう。
技術者倫理観については、発注者として現場監督する中で最も重要なことは安全管理です。安全管理の具体的な方法や事故の際の対応については、アピールできるスキルになるかもしれません。
また、以下のような技術者倫理の項目がありますので、頭に入れておき面接時に自身がアピールできる項目を認識しておきましょう。
・公衆の安全や健康、福利を最優先に考慮する
・社会や文化、環境への影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令や制度を遵守する
・業務の範囲と責任を明確にし、責任を負う
・顧客の業務内容や品質などに関する要求内容を順守する
・誠実に業務に取り組み、顧客に対して責任を持つ
・すべての人を公平かつ尊重し、ハラスメントや差別に関与しない
・他者を傷つけない
・同僚も規範が守られるよう努力する
これらのことを意識して面接した結果、面接を受けた社からは複数内定をいただきました。
提示いただいた条件通知書では、現職よりも30~80万程度の年収UPでした。
このことから、公務員だからといって市場価値は低くなく、自分のアピール次第で市場価値を高めることができることがわかりました。
転職に有利な資格取得
同じ土木系に転職するなら、以下の資格取得していれば更に転職の幅が広がると感じました。理由は転職サイトには資格が必須の求人も多くあるためです。また、資格が必須の求人は条件が良いことも多いです。
私は今まで新卒の土木技術職で働いてきましたが、運転免許ぐらいしか資格は持っていません。現職で資格取得をしている人もいます。主に40代課長が資格を持っているイメージです。天下りを意識して、このぐらいの年齢から資格勉強をするようです。
土木技術職公務員で取得している人が多いのは、以下の資格です。
・2級 or 1級土木施工管理技士
・技術士補 or 技術士
・上級土木技術者
若手職員はあまり資格取得に積極的な人は少ない印象です。理由は、現職では資格取得をしても手当は何も出ないからです。また、資格取得によって、出世のスピードが大きく変わることはありません。稀に自己研鑽も兼ねて資格取得を目指して、講座を受けている職員もいます。
民間企業では上記資格を保有していると月1万~5万程度のインセンティブがあります。これは資格取得をすることで業務の範囲が広がり、任される業務内容も変わってくるためです。
以上より、同じ技術職での転職を考えている人には資格取得はおすすめです。
結局どんな資格をとればいいの?
そんな方は、まずは気になる企業の求人情報から必要資格欄に【必須】、【尚可】など記載があるので、それを参考に資格取得を目指してください!
自分の転職軸を認識する
転職を考える時は色々な事情があると思います。転職動機から自身の転職軸を考えましょう。
・人間関係が良くない
・給料が低い
・残業が多い
このような理由が多いのではないでしょうか。
例えば、現職で残業が多いのでワークライフバランスを確保したいために転職をしたところ、結果転職先でも残業が多かったらせっかく転職した意味がないですよね。
そのため、はじめに転職軸を自分の中で持ちながら、転職活動することが重要です。
自分も最初は給料面で不満がありましたので、給料が良くなればいいかなと思っていましたが、面接をしていく内に自分のスキルアップも重要だと感じています。
不満を持っていた国家公務員技術職の年収をまとめていますので、参考記事も良かったらご覧ください。
例えば、IT業界に未経験で入ると最初は給料は現職よりも低くなりますが、長期的に見ればエンジニアの方が年収が多くなることがあります。
長期的な視点で転職の軸を決めることや、面接をする中で軸が変わったり加わったり変化すると思うので、最初は「こんな働き方をしたいなあ」ぐらいでもいいかもしれません。
興味がある企業を徹底的に調べる
求人情報を眺めていると、徐々に良い条件と感じることもあり、情報を取捨選択しやすくなってくると思います。情報を吟味したうえで、気になる企業については徹底的に調べましょう。
以下を使うと有効的に調べることができます。
- 企業HP
- 企業の口コミ(オープンワークス等)
- IRバンク
企業HPにはあらゆる情報が掲載されています。まずは企業理念やビジョンを見て、どのようなプロジェクトをしているか確認しましょう。その後に求人情報を確認することをおすすめします。また、求人情報は企業のアピールしたいことを人事担当者が掲載しているので、業務内容だけでなく福利厚生や残業時間等を参考にしましょう。
企業の口コミは、少し厳しめに書かれていることが多いです。これには理由があり、その会社の転職者が口コミしていることが多いからです。自分の会社の口コミを書くと、他の会社の口コミを見ることができるような仕組みなので仕方ないことです。そのことをあらかじめ認識して確認しておくと良いでしょう。
株式で上場していたらIRバンクで業績をチェックしておくことをおすすめします。
業績は右肩上がりになっているか等、会社の変遷・財務状況を確認できるので、安心して転職できるかの参考情報になります。
技術系公務員の転職活動で後悔しないために
転職活動を成功させるために以下の3つのコツをまとめます。
①公務員としての転職活動は、在職中でも可能ですが、規制内容や職場のルールを理解し慎重に進めることが重要
②技術職公務員の転職活動では、公益性・公平性、発注資料作成の経験、安全管理に基づく技術者倫理観などをアピールポイントとして活かる!
③自己の市場価値を把握するためにも転職サイトやエージェントを活用し、求人情報を積極的に探しましょう。
ここまで読み行動できる方は5%程度と思います。
その5%にまず入れるように、転職サイトの登録を今すぐしちゃいましょう!
資格は必須ではありませんが、転職後の選択肢を広げるためには、必要な資格の取得にも挑戦することが効果的です。
この記事を参考にしていただき、公務員での転職活動を後押しできれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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